五年目

そのときのことはまだ鮮明に覚えている。
翌月に控えたフィリピン出張について伊藤道雄さんと、彼の率いるACC21のオフィスで打ち合わせをしていたのだった。
ソッコーでオフィスの外に出たら、目の前の高層ビルがぐわんぐわん揺れていた。

一緒に打ち合わせをしていた同僚がそこから徒歩圏に住んでいて、その日は彼女の家に泊めてもらった。
本来の職場である都心のビルの37Fにいた他の大多数の同僚たちは帰宅難民となって、オフィスで夜を明かしたという。

それから二年、仕事として震災支援に携わって何度も岩手と宮城と福島に行って、その後の二年はブラジルだ。

被災地で出会った人びとは今どうしているのだろうか。
一年前と同じことを考えている。
気づけばもうすぐ帰国。

関連記事

  1. 長津邸

  2. 革新の第九

  3. Farewell, 大浦食堂

  4. ラッキーギョウザ

  5. 江ノ電、鎌倉

  6. Camino, 2019

  7. 言語の本質

  8. 山峰潤也さん

  9. 聖なる巡礼路を行く

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

Author

えんたく(Entak)

PAGE TOP