雨季の暇つぶし

マデイラ川氾濫

雨季真っ只中である。20年ぶりというマデイラ川の氾濫が大変なことになってる。

なので外でサッカーなんて天気の良いピンポイントな時間じゃないとできないし(ブラジルなのにサンパウロやリオと比べこの街でいまいちサッカーが盛り上がらないのは、この「雨季がある」ってことと無関係じゃないんだろね)、セントロ(中心部)まで買い物行こうと思わないし(結構距離あるから、わざわざ友達に車出してもらわないと行けない)、相変わらずネット不安定だし、テレビも映り悪いから全然見なくなったし。

結局暇な時間はひたすら家に籠って、先月リベルダーヂでしこたま購入したDVD見たり、日本から送った本や漫画を読んだりしてる。他に選択肢がないからとはいえ、それはそれで至福の時間だ。この先も、これだけして生きて行けるならそれもありだなと思っちゃうよ。

ここ最近で見たり読んだりしたものの中から、印象に残ったものをご紹介。備忘録代わり。まあ、他に何もしてないからネタがないだけってことなんだけど。

『桐島、部活やめるってよ』(2012年)


小説(2010年)のほうは既読だったんだけど、映画は未見であった。
小説では登場人物ごとの視点で章割りがなされてるのを、うまく映像に落とし込んでたと思う。
すでにいろんなレビューでも語り尽くされてるけど、クラスの成員が上から下まで階層化されてて、それぞれが全く異なるレイヤーを生きてるというあの感じ。んで、ふとしたきっかけで異レイヤー同士が交じっちゃったらたいていロクなことが起こらないという。いろいろ思い出すこともあって、リアリティあるなあ。
女子生徒の子たちが、マドンナ役も含めてみんな特別美人というわけじゃないというのも良かった。ほんと普通に高校いそうな感じ。配役に関して唯一言うなら、近ごろ杏ちゃんと噂になっているという東出昌大くんであろうか。ちょっと年齢的に無理があるというか、さすがにこんな高校生おらんやろ、と笑ってしまったよ。

『八日目の蝉』(2011年)


こちらも小説(2007年)は読んでたんだけどね。この辺、時期的にバタバタしてて見てない映画多いね。
これも名作やわ。ええわ。
何がええって、永作博美さんの演技に心打たれましたね。
お子さんをお持ちのお母さん方は、森口瑤子さんのほうに涙するんでしょうね。

『乱』(1985年)


あの黒澤明をして、自らのライフワークと言わしめた大作。
前作に当たる『影武者』のほうは、テンションの高さがちょい空回り気味の感があったのだけど、こちらのほうはさすがに見応えありました。シェークスピア『リア王』を下敷きにした戦国絵巻。
でも後半、秀虎(中代達矢)が狂阿弥(ピーター)とともに荒野をさまようのだけど、あんな状況で気が狂っちゃった秀虎の下の世話はどうしてたのかなとか、さぞかし異臭放ってたんだろうなとか、何日もさまよってた割には秀虎の純白衣装やたらキレイなままだよなとか、そんなところでケチをつけてしまうのはただのひねくれであろうか。リアリティには徹底的なこだわりを見せた黒澤監督、であるからこそついそこまでのレベルを求めてしまうのであるよ。

『ガダラの豚 1~3』(1993年)


あーおもしろ。
中島らもさんって、ほんとサービス精神旺盛な人ですね。

『風の谷のナウシカ 1~7』(1982~1994年)


改めてこれは凄いな。
既読であったのだけど、もう20年前のことなんで、もう一度読もうと思って持ってきてたのだ。
さすが10年以上にわたって描き継がれてきただけのことはある。
その思想の賛否はさておき、よくもこれだけの世界を創りあげたもんだわ。そりゃ2時間尺の映画では描き切れんよね。この漫画版のナウシカが、彼の作ったどのアニメ作品をも凌ぐ代表作と言えるのではないだろうか。人物造型がちょっと紋切り型なきらいはあるのだけど、ところどころにそこから脱線する部分もあって、大いに楽しめたのでした。

それではまた。

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えんたく(Entak)

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