Despedida no aeroporto

JOINT 19号(2015年10月)より転載
https://www.toyotafound.or.jp/joint/data/joint19.pdf
(連載第1回~第5回については、JOINT14号~18号に掲載)


 ブラジルから帰国して早三か月が過ぎました。再び東京で慌ただしく暮らす今、地球の反対側の小さな街に二年もいたということがすでに信じられない気持ちです。
 二年間の活動を終え、帰国のため深夜2時半のフライトで任地ポルトヴェーリョを離れる最後のとき。翌日も朝早くから仕事があるにもかかわらず、そして事前に何度も送別会を開いてくれていたにもかかわらず、同僚や生徒たちを中心に約40名の人々が空港へ見送りに来てくれました。搭乗口へと移動する直前、みんなにお別れの挨拶を始めたその刹那、一体何年ぶりでしょう、思わず落涙するのを抑えることはできませんでした。

マリーザさん そんな私にあなたは絶妙な間合いでおちゃらけた突っ込みを入れてくれましたね。おかげで途中まで出た涙は瞬時に止まり、爆笑へと変わりました。全員笑顔の中、自分にふさわしい愉快な最後を迎えることができたかなと思います。

オスカルさん 思ったより周囲にサッカーする人もお酒飲む人も少ない中、あなたはこの街で唯一無二のサッカー友達にして飲み友達でした。あなたの日頃のお誘いにどれだけ救われたか分かりません。

マリエラさん 当初は意見の相違でぶつかることもありましたが、それも学校のことを思えばこそ。あなたがいなければこのポルトヴェーリョ日系クラブは成立しません。いつまでも元気でご活躍ください。

ルイキ いつも優しくていじられキャラのあなた、つい私も調子に乗ってしまい、度を越したいじりで一度泣かせてしまったこともありましたね。反省しております。でもあなたは同僚として変わることなく、常に私の活動をサポートしてくれました。ありがとう。私がキューピットとなって付き合うことになった最愛の彼女と結婚するときは式に呼んでね、交通費とともに!

ライーザ 若くしてほぼ独学で日本語を習得したあなたのスマートさには心底驚きました。途中から学業や仕事が忙しくなり、教壇に立つ機会は減ってしまいましたが、弁護士になるというあなたの目標を叶えた暁には、約束通り必ずや日本に遊びに来てください。祝杯をあげましょう。

アルベルト 私が赴任したときは教師見習いとして授業をサポートしてくれていたあなたが、今や学校にならなくてはならない大黒柱に成長しましたね。報酬もほとんどないにもかかわらず、いつも学校のために尽力するあなたを、心から頼もしく思います。

ナターリア 同年代の優しい同僚たちの中で、唯一人ずけずけと物事を言ってくれるあなたは私にとってかけがえのない存在でした。一年前、念願だった日本への一人旅から戻ったとき、その感想を興奮気味に語ってくれたあなたの表情を決して忘れることはできません。おかげで私は日本のことがもっと好きになりましたよ。

 熱心に私の授業に耳を傾けてくれた生徒の皆さん、心から感謝します。あなたたちのおかげで私の二年間は実り多いものとなりました。
 そしてあまり熱心じゃなかった生徒の皆さんも、ありがとう。そんなあなたたちにどう説明したらよく分かり易く言いたいことが伝わるだろうか、と試行錯誤することで、私のポルトガル語の表現力は格段にアップしましたよ(笑)。

 最後に読者の皆さん。このアマゾン奥地での二年間がどれだけ「国際的」と言えるものなのかよく分かりませんが、財団に復職後、国際助成プログラムを担当しています。次はこの誌面ではなく、世界各国・全国各地の現場でお会いしましょう。Obrigado por tudo!

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えんたく(Entak)

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