年末年始は神戸と磐田で過ごした。
久々の魚の棚(うおんたな、と読む)で明石焼とか、11月にリニューアルオープンしたばかりというマリンピア神戸(旧ポルトバザール)とか、これまたつい数ヶ月前に20代にして一戸建てを購入した義弟の新居とか、いろんな鳥と間近に触れ合える掛川花鳥園(何気にオススメ!)とか、細々とそれなりに盛りだくさんではあったのだが、そんな中でも自分にとっていちばん大きな出来事はわずか半時間あまりの菊ちゃんとの再会であった。
菊ちゃんは、我が母の姉である。
姉といっても、母は六人姉妹の末っ子で、菊ちゃんは四女で、歳は一回り以上離れている。御年92歳!
旦那さんであった周蔵さんはすでに鬼籍に入られた。
というわけで数年前から菊ちゃんは須磨の浦が一望できる某老人ホームで暮らしているのである。
タイミングが合わず一度も行けてなかったのだが、今回神戸の最終日に無理やり予定をねじ込んだ。
本人は、自分はもうボケている、と自虐的にネタにしていて、実際同じことを間をおかず何度も言ったりするのだが、快活で矍鑠としていて何よりである。
母との会話はよくある関西のオバハンのボケツッコミのノリそのものだ。
私が生まれて数年、母はまだバリバリのキャリアウーマンであった。
なので平日の昼間は近くに住んでいた菊ちゃん夫妻のもとに預けられ面倒見てもらってたのだ。
夫妻には子供がいなかった、ということもあるのかもしれないが、周蔵さんにも菊ちゃんにもそれはそれは可愛がってもらった。
朧げながらその記憶しかない。
怒られないのをいいことに、調子こいて甘ったれてた、という意味では実の親に対して以上だったかもしれない。
奇しくも当時の自分と同じ年代の子供を今抱える身だが、彼らの傍若無人な振る舞いを見ていると、過去の自分もそんな感じだったんよな、と顔から火の出る思いだ。
おそらく十年くらいぶりにも関わらず、半分ボケてるにも関わらず、
そして事前に知らせず突然の訪問だったにも関わらず、
会った瞬間「おーー、ケン坊!」と迎えられ、「こんな大きなってーーー!」とケタケタ満面の笑顔で喜ばれると、それだけで不覚にもウルっときてしまった。
これから帰省のたびに訪れるようにしよう。
いつまでも元気でいてよ、菊ちゃん!
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